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フリーランス翻訳者とうまく付き合う

多言語対応をしているスタジオの多くは、社内の翻訳チームではなくフリーランス翻訳者とやり取りしている。言語ごとに一人、というケースも珍しくない。関係自体は単純で、テキストを送り、翻訳が返ってくる。しかしその往復の質は、翻訳者の腕前とはほぼ無関係な要素で決まる。依頼範囲がどれだけ明確か、どれだけの文脈を渡せているか、そして関係を長い目でどう扱っているか、である。

依頼範囲とファイルは、あいまいにしない

曖昧なファイルを渡された翻訳者は推測で埋めるしかなく、その推測が用語のばらつきの温床になる。何かを送る前に、今回の範囲に何が含まれ何が含まれないか、返してほしいフォーマットは何か、そして絶対に変えてはいけないもの — 文字列ID、プレースホルダー、書式マーカー — を明示しておく。

  • 今回翻訳するファイルや範囲、そしてすでに翻訳済みで触ってはいけない部分がどこか
  • 戻してほしい正確なフォーマット — 同じファイル構造、同じキー、同じ文字コード
  • 手を触れてはいけないもの — プレースホルダー、改行文字、タグ類、文字数上限があるフィールド
  • 推測せず質問や注記を残してよい場所

文字列だけでなく、実際の文脈を渡す

孤立した文字列だけが並んだスプレッドシートは、翻訳がもっとも難しい形式のひとつだ。トーンや語尾、単語選びはすべて文脈に依存するが、その文脈は一つのセルからは見えない。同じ台詞でも、誰が話しているか、誰に向けているか、その場がどれだけ切迫しているかで訳し方は変わる。

可能な範囲で、実際に役立つ資料を添える。そのテキストが表示されるUIのスクリーンショット、キャラクターやトーンについての短いメモ(このキャラは硬く簡潔な話し方、こちらは軽口が多い、など)、名前や用語の一貫性を保つための用語集。凝ったものである必要はなく、キャラクターやシステムごとに一枚のメモがあるだけで、推測の大半は減らせる。

納期と支払いも関係の一部

相談せずに決めた納期は、翻訳者が無理して間に合わせるか、静かに遅れるかのどちらかになる。どちらも自分たちのコストになる。無理をした仕事はミスが増え、遅れた分は自分たちのレビュー時間を圧迫する。内部で日程を確定させる前に、その分量で現実的な期間はどれくらいかを聞いておく。

支払いを迅速かつ予測可能にすることは、単なる礼儀ではない。優れた翻訳者に次の案件を最優先で受けてもらうための条件そのものだ。複数のスタジオと仕事をしている翻訳者は、期日通りに払い、後から値切らない相手を優先する。

質問できる窓口と、仕事へのフィードバック

良い翻訳者ほど、あいまいな箇所があれば質問してくる。これは避けるべき問題ではなく、丁寧に仕事をしている証拠だ。次のメールを待たせるのではなく、共有ドキュメントやチャットスレッドなど、チームがすでに使っている実際の窓口を用意する。質問には早めに答える。一週間放置された質問は、当てずっぽうで処理されるか、その回のバッチ全体を止めてしまう。

フィードバックは双方向であるべきだ。レビューで問題を見つけたとき — 誤訳、壊れたプレースホルダー、トーンのずれ — 具体的に伝える。理想的には該当する文字列と、期待する訳し方をセットで示す。何も言わなければ翻訳者は何も学べず、自分たちのゲームに合わせて調整するすべもない。

関係が複利で効いてくる理由

何回もの更新にわたって同じゲームを担当している翻訳者は、キャラクターや繰り返し出てくる用語、ファイル形式の癖まで把握している。その知識はどこにも文書化されておらず、その人の頭の中にしかない。だからこそ、次のバッチほど速く、一貫性が高く、質問も差し戻しも少なくなっていく。

案件ごとに一番安い翻訳者に切り替える運用は、そのたびにこの知識をゼロに戻す。新しい翻訳者は最初の人と同じ白紙の状態から始めることになり、その立ち上がり分のコストを — 請求額には出なくても、少なくともレビュー時間として — もう一度払うことになる。少し高くても自分のゲームを知っている人に頼むほうが、トータルで見れば安いことは多い。

往復に耐えるファイルを保つ

受け渡しと再取り込みのたびに、何かを失う機会が生まれる。プレースホルダーが上書きされる、改行が消える、スプレッドシートの数式がセルを壊す。翻訳者が守れるのは、ファイルが守れる形になっているものだけだ。一貫したキー、保護または明示されたプレースホルダー、翻訳者が実際に使うツールで開いても壊れないフォーマット — これがこの記事で挙げたすべての土台になる。文脈やプロセスがどれだけ良くても、往復のたびに静かに壊れるファイルは補えない。

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